素因数分解の最新動向

富士通研の下山武司さんの講演があるということで茨城大の黒澤馨先生に声を掛けて頂いたので茨城大ひたちキャンパスまで聴講しに行ってきました.お話の内容は大きく分けて (1) 数体篩法の概要,(2) 素因数分解専用ハードウェアの設計,の二つです.素因数分解専用ハードウェアについてはスラッシュドットジャパンの記事も読んでいたこともあり,楽しくお話を聞くことができました.ShamirもTWIRLという数体篩法専用ハードウェアを既に提唱していたのですが全く現実的ではないらしく,下山さんのグループによる詳細な検討も発表されています.

また下山さんのお話だとTWIRLで相当の大きさの自然数素因数分解をさせるためには発電所一つ建設する必要があるということも別の研究グループが示したとか.このように専用ハードウェアについての議論が多々ある中で実際に動作する専用ハードウェアを実現させたという事は非常に素晴らしい研究成果だと思います.今でも改良が重ねられているそうで,近い未来に素因数分解の世界記録樹立は専用ハードウェアで達成されるようになるかも知れません.